信用取引、空売り、追証、デリバティブ、商品先物市場って何?

      2016/04/19

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1.信用取引、空売り、追証って何?

信用取引とは、株式の購入の資金を証券会社から借り入れて、自分の持っている資金以上の売買を行う投資手法を言います。
普通の株取引を、現物取引と言って、信用取引を区別することもあります。
マージン取引ということもありますが、信用取引の英語Marginをそのまま使った言葉です。

信用取引を行う場合には、委託保証金と呼ばれる担保を、証券会社に預けてから、実際の取引を開始します。
委託証拠金は、現金の場合もあれば、一定の有価証券を担保にできる場合があります。
信用取引の口座開設には、一定の審査があり、現物株の取引経験の有無を審査の基準にしています。

信用取引では、借り入れた資金でレバレッジをかけた取引ができるようになります。
最大で3倍のレバレッジがかけられるため、同額の自己資金の現物取引の3倍の利益を得ることができます。
レバレッジが3倍ということは、損失も当然3倍になります。

制度信用取引での返済期限が6ヶ月と決められているため、6ヶ月以内に反対売買を行い差金決済を行うか、現物株を差し入れる必要があります。
そのため信用取引は、株式の短期売買で使用する取引手法であり、長期保有には向いていません。

空売りとは、信用取引株式を売ることから始める取引のことを言います。
現物取引では、必ず株式を買いから始めます。
そして株式を売ることで初めてキャピタルゲインが手に入ります。

株価が下落すると予想される株があった場合、現物取引では、その株を保有していなければ、利益を出すことはできません。
そんな時には、信用取引で、売りから取引を開始して、株価が下がった時に、買いの反対売買を行えば、差額が利益になります。
信用取引は、株価の上昇局面だけでなく、下落局面でも利益が狙える取引手法なのです。

副業での株式投資では、上昇下落の両局面で利益が狙えると、投資チャンスが2倍に増えます。
資金が3倍、チャンスが2倍で、成功へ6倍の近道ができる、それが信用取引です。

空売りは、保有していない株を売るため、証券会社に株を借りることになります。
借りた株を売って、その後に買い戻した株を、借りた証券会社に返す、それが信用取引の仕組みです。
そのため、空売りでは株のレンタル料金が発生します。

信用取引では、担保の委託保証金を証券会社に預けてから、取引を始めます。
取引で損失が発生し、決済をするまでの含み損が大きくなり、仮に決済すると、委託保証金が不足する状態になります。
委託保証金が不足すると、証券会社から追加の証拠金を要求されます。
それが追証(追加の保証金)です。
追証が発生すると、証券会社が指定する期日までに、資金を担保として差し出します。
追証を支払わないと、強制的にポジションが決済されてしまいます。

ただ、追証を入れ取引を続けることは、さらに損失が増える可能性があります。
信用取引で失敗し、市場から退場した人は、一人残らずこの追証を増やしたことで、破滅への道へ進んでいます。
副業での信用取引で追証が発生した時は、一度、頭を冷やすために、損失を確定させる決済をして、出直すことをお勧めします。

2.デリバティブとは?世界初の取引所は大阪。

デリバティブとは、金融派生商品のことです。
価格変動によるリスクに備える金融商品の総称をデリバティブと言います。
先物取引もデリバティブの一種です。

株式の先物取引、商品の先物取引。
個別株のデリバティブもあれば、日経平均などの株価指数のデリバティブ。
また、通貨、国債などの債券のデリバティブもあります。
さらに、企業の債務不履行のリスク回避のためのクレジットデフォルトスワップCDSなどの信用デリバティブもあります。

デリバティブの起源は、古代ギリシャの哲学者ターレスと言われています。
ターレスは天文学で、オリーブが豊作になることを予見して、オリーブ油の絞り機を借りる権利を、あらかじめ買ったそうです。
実際にオリーブが豊作になり、絞り機の需要が増えた時に、絞り機を仕入れより高く貸し出し、利益を手にしたそうです。

世界で初めてデリバティブ取引所ができたのは、日本です。
1730年に大阪の堂島に開設された米の先物取引所が、世界初のデリバティブの取引所です。
米を価格を、収穫前にあらかじめ決めて、取引所で一括して取引を行っていたそうです。
デリバティブ取引所、世界初が日本の大阪にある、このことは日本人として誇りに感じますよね。

東京証券取引所に吸収合併された、大阪証券取引所。
東証は現物取引ですが、大阪証券取引所では、デリバティブに特化した取引が行われています。

江戸時代から続くデリバティブ取引が続く大阪。
世界最古のデリバティブ取引所として、シカゴに負けず大阪にもガンバって欲しいものです。

3.商品先物市場とは?

株式ではなく、実物の商品を取引対象とする先物取引です。
原油、金、トウモロコシなどが有名ですが、それ以外にもいろんな商品が取引されています。

日本の個人投資家で、商品先物の取引を行っている人は少なく、副業で商品先物取引を行うことは滅多にありません。
副業で商品先物を行う人は、まずいないと思います。
ただ、海外では、商品先物市場の規模は大きく、多くの商品が取引され、株価にも影響を与える市場なのです。

世界最大の商品先物市場は、シカゴマーカンタイル取引所です。
シカゴマーカンタイル取引所は、商品の先物取引以外にも、株式の先物も行っており、おおうのデリバティブを扱っています。
シカゴマーカンタイル取引所のポジションは、市場から注目されており、シカゴの大きなポジションはシカゴ筋と呼ばれ、株式市場や商品市場の価格に影響を与えます。
シカゴマーカンタイル取引所は、ニューヨークの商品取引所も買収合併しています。

商品先物の主要商品は原油です。
原油価格は、株式の価格にも影響を与えます。
ニューヨークマーカンタイル取引所 (NYMEX)で取引される原油、ウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI:West Texas Intermediate)の先物は、世界の原油価格の中で最も有力な指標になっています。
原油価格の変動は、経済成長によるものもありますが、中東の産油国周辺の紛争など、地政学的な要因が大きい商品です。
また、アメリカ国内では、産油地域であるテキサス州周辺はハリケーン被害が多く、天候も原油価格を変動させる要因です。
天候や紛争の影響が原油価格に出て、それが巡り巡って、日本の株式価格に影響が出てくるのです。

原油の次に商品先物の代表は金です。
金の相場は、景気の悪化、金融不安、紛争の拡大など、不安定要因が増加すると、金が買われ価格が上昇します。
通貨が発達した現代社会でも、金の安全資産としての価値は、以前人気があり衰えません。
純金積立などの言葉を聞いた事があるはずです。
中国でも金の人気は圧倒的で、近年の金の価格の上昇は、中国国内での金の購入の影響が強いと指摘されています。
金の価格が上昇するのは、米ドルの価格が下がる時。
世界の基軸通貨、米ドルの価値が下がると、安全資産の金へ資金が移動するのです。

金の他にも金属は、商品先物で取引されています。
銀やプラチナ、これらは工業製品でも多く使われるため重要な商品です。
また、トウモロコシ、小麦、大豆などの穀物も、商品先物で取引されています。

商品先物の価格が、株式の価格への影響を与える。
副業で、商品先物を取引しなくても、その影響が株価にも及ぶことは知っておきましょう。

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