副業株式投資に活用、M&A、TOB、ポイズンピル

      2016/04/19

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1.M&Aを、副業株式投資に活用

M&Aとは、Mergers and Acquisitionsの略で、企業の合併や買収の総称です。
吸収合併や、株式交換などによる企業同士の統合、株式の譲受けや、新株の引き受け、公開買い付けなどによる株式取得での買収など、M&Aには、様々な手法があります。
M&Aは、ある企業による新規事業の開拓、事業の統合によるシェア拡大やスケールメリットなどを目的として、実施されます。

M&Aは株価にも大きな影響を与えます。
ある企業が、株式の買い付けで、他の企業を買収しようとする場合は、買収される企業の株価にプレミアムを上乗せして、株を買い集める場合が、一般的です。
普段の株価より、高めにプレミアムをつけないと、既存の株主から株を買い集められないからです。
既存株主が株を売却しなければ、M&Aが成立しません。

M&Aが表面化すると、買収される方の企業の株価は、プレミアムでの買い取りを予測して、株価が上昇します。
買収される企業の業績とは関係なく、株価は需要と供給のオークションで価格が決まるので、株価が上昇するのです。

買収される企業の経営陣が賛成している買収は、友好的買収と言われます。
その反対に、買収される企業の経営陣が反対している買収は、敵対的買収と言われます。
この敵対的買収では、株価が大きく上昇することがあります。
買収を避けるために、M&Aを行う会社と、M&Aを阻止するホワイトナイトが、株の購入合戦を行い、株価がどんどん上昇していくのです。

ホワイトナイトとは、買収される企業の経営者を助ける第三者です。
堀江社長率いるライブドアによるニッポン放送買収の時には、SBIグループの北尾CEOがホワイトナイトとして登場し、このホワイトナイトという言葉が有名になりました。

敵対的M&Aでは、既存株主に株を売却させないように、経営陣から、大幅な配当アップなどの株主還元策が実施されることもあります。

日本企業は、同じ業種で、有力企業が多い特徴があります。
自動車業界のトヨタやホンダなど。
電気業界のソニーやパナソニックなど。
これからの日本企業同士で、スケールメリットや世界シェア拡大などの、長期的な業績アップが見込める合併・買収の可能性が多く残っています。

M&Aでも、親会社による子会社の買収・吸収では、市場での株価より低い価格での、買収もありえます。
親会社による吸収合併では、株式公開買い付け、株式交換などによる、手法があります。
その場合、子会社の業績不振が原因による吸収合併の場合には、市場価格より低い価格で実施される可能性があります。
そうすると副業での個人株主では、太刀打ちできません。

副業株式投資でも、このM&Aを活用すると、一気に利益が出せるチャンスがあります。
M&Aの話が出たら、株価は素早く動きます。
その時までに、基本的な知識を身につけ、瞬時に売買の決断ができるようにしておきましょう。

2.TOBを、副業株式投資に活用

TOB、take-over bidとは、株式公開買付けといい、特定多数の株主から株式市場外で、株式を買い集める制度です。
TOBでは、買取りの株価と、買付け期間、買取り株数を公告します。
金融商品取引法で、市場外で一定数以上の株式を買付けする場合には、TOBを義務付けています。

TOBが実施されると、その条件によって、株価の動きが変わります。
TOBの対象となる株式の数に上限がなく、応募全てを買い取る場合は、市場での株価もTOBの価格と一致していきます。
90%以上の株式を大口の株主が取得すると、上場が廃止されてしまうからです。
TOBを実施するにあたって、買収企業の上場廃止を明言している場合もあります。

敵対的買収だった場合などは、TOBに対抗した買取相手が現れると、TOB価格の引き上げを期待して、市場での株価はTOB価格を上回り、上昇していきます。

TOBの買取株式数に制限があった場合は、公開買い付けに応募しても、抽選漏れしてしまう可能性もあり、TOB実施後の売り圧力による株価下落に備えて、TOB価格を下回る市場価格になることもあります。
このようなケースでは、市場での株価はTOB価格まで上昇することはなく、TOB完了後は、流動性の低下が懸念され、さらに株価が下落することになります。
しかし、TOB実施後も上場が維持され、企業統合による長期的な業績アップが期待される場合は、株価が上がることもあります。

TOBでは、必ず株価が上がるということはなく、市場での評価によって、上がる場合もあれば、下がる場合もあります。
副業でTOBを利用した売買で利益を狙うときには、市場の動きに素早く対応していきましょう。

副業で株式を保有している企業に、TOBが実施された場合、TOB価格が取得価格より高かったら素直にTOBに応募して売却すれば、その時点で利益が確定します。
副業でほったらかしの長期保有が目的だった保有株式がTOBを実施されたら、あまり悩まずTOBに応募して売却すれば、次の投資対象へ移れます。

3.ポイズンピルは、副業株式投資に活用できる?

副業での株式投資で、ポイズンピルを持つ企業を、どう見ればいいのか。

ポイズンピルとは、既存の特定の株主にあらかじめ新株予約権を与えることにより、新たに株を取得して買収しようとしてくる相手に対して、対抗する買収防止策です。
新株予約権で市場価格より安い価格で、新株を取得することができます。

ポイズンピルは毒薬という意味です。
新株を発行することで、買収を仕掛けてきた相手の、保有株式比率を下げることができます。
さらに株を買い増すには、より多くの資金が必要になるため、買収が困難になります。
これにより、ポイズンピルを行った企業への、敵対的買収の可能性が低くなります。

ポイズンピルは、友好的な買収を否定するわけではありません。
友好的な買収が行われると、買収により、その企業の株価は上がる可能性があります。

副業で株式投資を行う場合、友好的買収でも、敵対的買収でも、株式を保有する企業の株価が上がれば、どちらでも同じです。
ポイズンピルがあると、敵対的買収の可能性がないだけ、その企業の業績が低迷しても、経営陣の責任が曖昧になってしまいます。

副業での株式投資を行う個人投資家にとって、ポイズンピルのメリットは、はっきり言ってナシです。
むしろ、ポイズンピルがない方が、敵対的買収の可能性があるので、株価上昇の可能性があります。
ポイズンピルは、現経営陣にメリットがあるのであって、個人投資家にとってメリットはないのです。

業績が低迷している会社、ポイズンピルがなく、敵対的な買収の可能性がある。
敵対的な買収で、一気に株価が上昇する可能性あり、
業績が低迷している会社、ポイズンピルがあり、敵対的な買収の可能性がない。
敵対的な買収の可能性がなく、現在の経営陣が安心してこれからも続けられる。
どちらの企業が、副業での投資対象になるかは、明らかです。

毒薬を飲まされるポイズンピル、副業個人投資家にとっては、飲まされるだけ、やめておいた方が無難です。

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