企業の業績、上方修正、期末決算と業績予想を、副業株式投資に活用

      2016/04/19

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1.業績判断を、副業株式投資に活用

企業の業績は、その企業の決算の前年との比較で、判断します。
売上高や利益の前年比が、業績判断の基準になります。
利益額が10億円の2社でも、前年が50億円の会社では業績が悪化で、前年が赤字だった会社では業績が回復、そう判断します。

副業で株式投資を行う人は、本業で企業の会計に関する知識を持っている人もいるはずです。
その本業での会計知識は、副業株式投資の大きなアドバンテージになります。

利益にも営業利益、経常利益などの種類があります。
営業利益は、その企業の本業の事業活動で得た利益です。
売上高から、人件費や原材料などの売上原価、そして管理部門の経費を差し引いたものが、営業利益です。

経常利益は、営業利益に、本業以外の利益も加えた利益です。
本業以外の、利息収入や受取配当金などを営業利益に加えたものが、経常利益です。

経常利益から、通常は計上されない特別な利益や損失を加減したものが、税引前当期純利益です。
そして法人税などの各種税金を支払った後の、残った利益が当期純利益です。
この当期純利益が、株主への配当金の原資になります。

その中で業績判断で重要視されるのは、営業利益と経常利益です。
以前は、経常利益が重要視されていましたが、最近では営業利益が重視される傾向があります。
営業利益は、その企業の本業の結果であるため、最近の株式市場では本業重視の傾向が強まっていると言えます。
ただ、その企業の業種によっても、重視されるのが、どちらかが違いますので、経常利益が重視される業界もあります。

自動車や精密機器などの輸出関連企業は、営業利益で業績が判断されます。
総合商社や銀行では、経常利益で業績が判断されます。
総合商社では、海外のグループ企業なども多いため、それらの収益が反映される利益のほうが、より業績を反映していると考えられるからです。

銀行の場合は、保有債権や株式などの利息収入や受取配当金も含めた経常利益が、より現実の経営状況を表していると考えられています。

石油元売会社などは、原油価格によって在庫の評価額が大きく変動するため、在庫評価益を除いた数値で業績を評価する、特別な指標もあります。

また、配当金目当てで売買される銘柄では、当期純利益で株価が変動する場合があります。
配当金の直接的な原資が当期純利益であるためです。

本来の企業の本質は、本業でどれくらい稼いでいるかです。
そういった意味で、営業利益で企業を判断するのが、本来の姿ですが、業界の特殊事情で、他の数値も使われているのが現状なのです。

2.業績の上方修正を、副業株式投資に活用

業績修正の発表は、売上高で10%、利益額で30%、会社の計画と乖離すると発表されるのが一般的です。
新年度の業績見込は、期初に発表します。
新年度の業績見込を発表しない企業もありますが、上半期と通期の業績見込を発表する企業が多いです。

業績の修正発表は、上半期決算の前、それと期末決算の前に発表されることが、ほとんどです。
第一四半期決算、第三四半期決算などは、注目度が低いので、決算発表と同時に業績修正をほとんどの場合、発表します。

業績の上方修正の発表でどれだけ株価が上がるかは、その企業の業績アップが、どれくらい株価に織り込み済みだったかで変わります。
すでに予想された通りの内容なら、株価は上がりませんし、逆に材料が出尽くしたと判断されて、株価が下がる場合もあります。
利益確定売りで株価が下がってしまうのです。
上方修正で株価が大きく上昇するには、市場が好感を持つサプライズが必要になります。

市場の事前の予想とは、どのようなものでしょうか。
大手の証券会社などに所属するアナリストが、それぞれ各企業の業績を予想しています。
こうしたアナリストの予測の平均程度が、市場での事前予想になります。
機関投資家などでは、アナリストの予測で株の売買を決める場合もあるからです。

ある企業の業績の予想を、アナリストが平均的に好調と判断して、それに基づき株が買われている、それが好調な業績が株価に織り込み済みの状態です。
大企業では、各証券会社のアナリストたちが、数十人が予想を出していて、その平均が市場予測になります。
中小企業では、業績予想をしてるアナリストが少ないか、全くいないので、市場予測がなく、各企業が出している業績計画だけしかありません。
それだけに、大企業より、中小企業の方が、市場にとってサプライズとなることが多く、業績上方修正による株価の上昇が期待できるのです。

大企業に関する情報は入手しやすいので、副業での投資対象としやすいですが、中小企業でも流動性が低い欠点がありますが、副業の個人投資家にとっては、魅力ある投資対象になります。

3.期末決算の発表と業績予想を、副業株式投資に活用

上場企業では、四半期ごとに決算の発表を行います。
その中でも、一番注目されるのは、1年の総まとめ、期末決算の発表です。

副業で時間のない場合は、投資対象企業の期末決算だけをチェックして、四半期決算は省略しても構いません。

期末決算と、それ以外の決算の最大の違いは、新年度の事業計画や業績予想が同時に発表されることです。
株価というのは、それまでの実績より、将来の見通しの方が重要視されます。
それだけに業績予想が同時に発表される、期末決算の発表が注目されているのです。

新年度の業績予測が、前年度と比較して、低くなっていたら、将来的な見通しが悪いので、現時点で業績が良くても、株価が下がる原因になります。
逆に、今年度の決算で業績が悪くても、新年度の見込みが高くなっていれば、株価が上がる原因になるのです。
決算の内容がよくても下がる、悪くても上がる、株価というのは、なかなか難しいものなのです。

注意すべき点は、各企業によって、業績予測が、楽観的であったり、堅実で保守的であったりします。
計画・予測が楽観的で、毎年業績が達成できない企業もあれば、堅実・保守的で毎年業績の上方修正を行う企業もあります。
鉄道業界などは、売上の変動が少ない業界ですが、ゲーム業界などは、売上の変動が大きい業界です。
商品が売れるかどうかが、消費者の動向によって大きく変動する業界では、業績予測が難しいのです。
それぞれの業界で、業績予想にも特徴があるので、その特徴を抑えましょう。

利益が出るまでに長い期間がかかる業界もあります。
建設業界では、大規模な工事になると、工事の受注から完成まで時間がかかるため、受注から利益が出るまで時間がかかります。
機械製作業界、半導体製作業界などでは、工場への設備投資から、製品を製造販売して利益が出るまで時間がかかります。
業績が低迷していても、大きな工事を受注した建設会社、工場へ大規模な設備投資をした製造業企業などは、将来的な業績が期待できます。

業績の結果より、予測が大事、副業株式投資は先を見て、投資対象を考えましょう。
昨日より今日、今日より明日です。

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